東日本大震災から10年

震災から10年となる日を迎えるまでに感じたことは、
認めたくないけど、
復興という言葉だけが大きくなって
自分の中で風化が始まっていたということ。

10年前、あれだけ
風化させてはいけないと思ったはずなのに。

だから、もう一度しっかり向き合うために、目に入ってきた震災に関する記事やニュース、番組を
できるだけ多く読むように、見るようにしました。

私は10年前、愛媛県のテレビ愛媛で働いていて、報道のテレビで被災した東北を見ました。私が唖然としている横で、先輩アナウンサーは泣いていました。あの時のテレビで見た光景はずっと記憶に残っています。

震災からまもなくして、
福島第一原発から20キロ圏内にある福島県南相馬市から愛媛に避難してきたある家族に出会いました。

そして、避難してきたばかりの大変な状況にも関わらず、たくさんの話を聞かせてもらい、震災から一年の時、番組を作らせてもらいました。

その時聞いた印象に残っている言葉は、
「みんな節目の一年というけど自分たちには関係ない。そして、避難してきて早々、取材を受けるのは正直面倒。でも、原発の恐怖を自分は伝えたいから。それが、仲間を置いて愛媛に逃げた自分が今できることです。」

そして、10年がたった今も
さまざまな葛藤の中、福島への思いを持ちながら、愛媛で農業を続けていらっしゃるそうです。

私は愛媛を離れてしまいましたが、
当時の上司から連絡をもらって
昨日放送された特集を
見させてもらいました。

当時と変わらない笑顔、
久しぶりのお元気そうな姿に
嬉しくなったと同時に、

当時と変わらない

10年は何の区切りでもないという言葉が

とても印象に残りました。

あと、それっきりになっていることに
申し訳なさも感じました。

 

FNNプライムオンラインでみることができます。

https://www.fnn.jp/articles/-/154736